2020年頃から「地方移住」というワードを聞くことが増えてきました。
「リモートワークで都会に住む必要がなくなった」
「地方でのびのび暮らし、月数回だけ東京に顔を出したい」
今はこのような新しい暮らし方に憧れる人も多いため、地方への移住希望者が急激に増えてきました。
特に移住先として毎回1~2位を独占するエリアといえば、自然が豊富で子育てもしやすい「静岡県」が挙げられます。
そこで今回は、実際に東京から静岡の三島市に移住したことがある私の経験を基に、地方移住のメリット・デメリットを解説したいと思います。
私が静岡県・三島市に移住したきっかけ
静岡移住の魅力をお伝えする前に、まずは簡単に私の自己紹介をしておきます。
私は元々地方出身でしたが、ある程度大人になってからは学生時代に6年間+結婚をしてからは2年間ほど東京で生活していました。
結婚後は、より子育てのしやすい環境を考えるようになり、地方への移住を検討しはじめました。
子供がのびのび育ちやすく、なおかつ夫の職場(東京)への通勤が可能な移住先を探していたところ、静岡県三島市にたどり着きました。
現在はそこで私と夫、3人の子ども、計5人で8年ほど生活しています。
静岡県三島市に移住するメリット
自己紹介が終わったところで、早速静岡県(三島市)へ移住する際のメリット・デメリットを解説したいと思います。
まずは静岡県の中でも一番東京寄りに位置する三島市に8年間住んでいる筆者から、移住するメリット5つを厳選してご紹介します。
メリット① 三島市は自然が豊かで体に優しい環境
まず最初にお伝えしたいメリットとしては、三島市は非常に自然が豊富なエリアであるということです。
東京のような都会での暮らしは魅力的な部分も多いのですが、大気汚染・騒音・その他公害など、知らず知らずのうちに私たちの体にストレスをかけているように思います。
それに対して三島市では、下記のように自然を活かした環境が特徴的です。
- 新鮮な空気
- 富士山から湧き出るきれいな水
- 温暖な気候
- 日照時間の長さ
- 火山灰性のミネラル豊富な土壌で育った作物
- おいしい野菜
- 渋滞や通勤ラッシュが少ない
- 人ごみが少ない
上記はあくまでも一例ですが、特に湧水を利用した三島市の水道水は、厚生労働省の基準を十分に満たしている「おいしい水」として知られています。
また、三島市には富士山からの湧水が街中のせせらぎとして流れているエリアがあり、市民の憩いの場になっています。
せせらぎにはカモやかわせみ、ホタルが生息しており、自然の豊かさが身にしみてわかります。
後に詳しくご紹介しますが、子供がのびのびと遊べる場所などを考慮すると、三島市の自然環境は移住する際の大きなメリットになりますね。
メリット② 三島市は年間を通して過ごしやすい気候
静岡県三島市は年間を通して温暖な気候となっているため、雪は降りません。
冬は日照率が高く晴天の日が続くため、キレイな富士山が良く見れます。
逆に猛暑日の続く夏には、5度以上涼しく避暑地でもある富士山周辺や箱根に行ったりもします。
基本的には年間を通して過ごしやすい気候が、都会とは異なるメリットの一つではありますね。
メリット③ 三島市は物価が安い
皆様のファミリー向け賃貸は、月にいくらぐらい掛かっていますか?
東京都の家賃相場は場所によって大きく異なりますが、子育てしやすい街ランキングの上位に君臨する「杉並区」3LDKの家賃相場は20万となっています。
やはり23区となると家賃も相対的に上がってしまいますね。
しかし、静岡県三島市では3LDK(駐車場・管理費込み)で10万ほどの物件がザラにあります。
杉並区の半額で同じ大きさの部屋が借りられますので、子育て世代の移住者にとっては非常に大きなメリットとなりますね。
メリット④ 三島市は都内へのアクセスがしやすい
東京都内であっても、通勤に1時間以上かかっているビジネスマンは多いのではないでしょうか?
三島市には東海道新幹線の三島駅があるため、「ひかり号」と「こだま号」が停車します。
三島~東京間は約50ほどでアクセスが可能であり、また行きも帰りも大体は自由席に座れます。
通勤時に自由時間が約2時間もありますので、より時間を有効活用することができますね。
満員電車で窮屈な思いをすることもなく通勤できるため、物価の高い東京で働き、オフでは安い地方に住むということが三島市では実現できます。
東京〜静岡(三島)までの往復料金は意外と高い
とはいえ、新幹線の料金は割高ではありますので、毎日通勤となると少々お財布には痛いかもしれません。
リモートワークで毎日通勤する必要がなくなった人、月数回の通勤で勤務している人ならば往復約8000円の交通費が会社から支給されるかもしれません。
出社ありきで移住を検討されている方は、最初に通勤手当の有無の確認を取ることをオススメします。
「通勤手当の有無は必ずチェックしておくこと」
ちなみに、三島駅からは渋谷・新宿行の高速バスも出ており、平日片道料金1790円~から乗車することが可能です。
2時間弱と新幹線よりは時間がかかりますが、コストパフォーマンスはこちらの方が良いです。
メリット⑤ 静岡県なら周辺観光スポットへのアクセスも楽チン
静岡県の周りには、箱根、熱海、伊豆、富士などの観光名所が点在しており、どこへ行くにも車で1時間ほどでアクセスすることができます。
以前に別の記事でもご紹介した人気観光スポット「忍野八海(山梨県)」へも、高速道路を利用すれば約50分前後でアクセスすることができます。
先ほども触れた通り、これらの地域は比較的温暖で涼しいエリアとなっていますので、夏の時期は特に過ごしやすくなっています。
もし公共交通機関を利用される場合でも、通勤ラッシュや満員電車、満員バスに遭遇することもありませんので、移動も快適です。
三島市からであれば他県への移動に必要な公共交通機関も十分に整備されていますので、こちらも移住時のメリットとして挙げられます。
メリット➅ 三島市は子育てがしやすい
「子どもにとって良い環境」の定義は人それぞれ異なるかと思いますが、私は自然の中でのんびり育つ方が良いと考えています。
静岡県三島市ではその条件が整えられており、下記のような自然環境の中で子育てをすることができます。
- 豊かな緑あふれる自然
- 川のせせらぎの音
- 鳥のさえずり
- 四季折々の植物
- 川辺の動物
これらの環境下で自然と触れ合いながら、子供たちが成長していく様子を見ることができます。
また三島市の子どもは川遊びが大好きで、川に生息しているドジョウやヨシノボリ、ハゼ、ムツ、ザリガニ、カニなどの希少種を探して遊んだりしています。
これらは子供たちにとっては、ゲームをしたりショッピングモールへ行ったりすることよりも、ずっと楽しいことかもしれません。
子育てに関しては、別の記事でもご紹介している「長野県」と同じぐらいメリットがありそうですね。
関連記事:長野市へ移住するメリットってなに?現地の私が語る!長野市の魅力とリアルな生活
三島市は地域コミュニティは「程よい規模」
子どもは地域のコミュニティの中で育ちます。
三島市は人口約10万人の小さいな町ですが、私は程よい規模だと感じています。
町に全く知らない人だらけなのも不安だと思いますが、知り合いばっかりというのも煩わしさがあるかと思います。
「 三島市(私の近所)は隣人とも近すぎず、遠すぎずといった感覚 」
また、伝統あるお祭りが盛んに行われるエリアでもありますので、近所の町内会に入れば自然と地域に馴染むことができます。
小学校に関しても2~3学級のところが多く、クラス替えも行われますので、子供たちも良い関係が築けるかと思います。
三島市は保育関係の保証が充実している
三島市は子育て支援も充実しており、下記のような恩恵を受けられます。
- 0歳から18歳まで医療費無料(自己負担額なし)
- 東京圏からの移住希望者に移住・就業支援補助金支給の制度あり
- 二人以上の世帯で移住される場合は100万円を支給金
- 市内に15か所の保育所
- 2020年の待機児童はわずか3名
また、保育料は全国的に見ても安く、第一子は所得に応じて算定され、第二子は半額、第三子は無料となります。
これは地方移住をする際の大きなメリットとなりますので、各自治体へ事前に確認してみることをオススメします。
メリット➆ 震災時のリスク回避
静岡県三島市へ移住する際のもう一つのメリットとして、「震災のリスク回避」が挙げられます。
少し前に台風19号の被害によって、都市部の水害対策の脆弱性が明るみになったことは記憶に新しいかと思います。
他にも首都圏では首都直下型地震のような大災害のリスクがあるため、いつ危機的状況になってもおかしくありません。
「首都圏の災害は、都市機能の麻痺や経済的な大損失と常に隣り合わせ 」
もちろんこれらの自然災害は静岡でも起こりえますが、都市部ほど危機的状況になるとは考えづらいです。
というのも、静岡では浸水対策のための地下トンネルが建設されたり、地区によっては港付近に防潮堤の造成が進められています。
これで100%災害を防げる訳ではありませんが、静岡県では着々と災害対策が進められているのです。
静岡県・三島市に移住するデメリット
ここまで静岡県へ移住するメリットを解説してきましたが、逆に住んでみたからこそ分かる「デメリット」の部分についてもご紹介していきたいと思います。
あくまでも私が個人的に感じたことですので、その点はご了承ください。
デメリット① 三島市は商業施設が少なく、買い物が不便
静岡県三島市にはショッピングモールやデパートがないため、欲しいものがすぐに手に入らない場合が多いです。
隣接する市には「ららぽーと」や「御殿場プレミアムアウトレット」がありますが、これもやはり住む地域によって異なってきますね。
またコンサートや美術館、博物館、科学館なども少ないので、文化的な知識に触れるには少々物足りなさを感じてしまうかもしれません。
デメリット② 三島市は学校の選択肢が少ない
三島市を含む静岡県東部には、私立の小中学校が数校しかありませんので、公立小学校のほとんどの子どもは地域の公立中学校へと進学します。
そのため、下記のようにお考えの親御さんには不向きな土地柄かもしれません。
「有名でレベルの高いといわれている学校に進学させたい」
「特色のある学校へ進学させたい」
ちなみに、文部科学省が行っている2019年の全国学力調査(小学生)では、東京都が5位で静岡県は9位でした。
最近は教育のデジタル化に伴い、三島市の小中学生の児童は学習用iPad(LTE通信対応)を一人一台貸与されています。
オンライン学習サービスがもっと普及されれば、地域によって教育格差が生まれないようになってくるかもしれませんね。
デメリット③ 三島市では車を持っていないと不便
静岡県暮らしには車は必須アイテムとなります。
新幹線が通っているとはいえ、市内を移動する公共交通機関は少なく、日々の暮らしには車が必須といえるでしょう。
車を持つには免許や維持費もかかりますので、少なからず生活費がかさ増しされることが予想されますね。
静岡県三島市へ移住するメリット、デメリット・まとめ
以上が静岡県三島市在住8年の筆者による「静岡県に移住するメリット・デメリット」についてでした。
静岡県は子育てのしやすさや自然に囲まれた環境、都心と比較した際の生活コストの低さが魅力的ですね。
また、当サイトでは静岡県で自営業を営む方の体験談なども掲載していますので、「地方×開業」に興味のある方は下記もお読みください。