エンジニア職の需要が高まりつつある現在、最初にコーダーとしてWeb制作を始める人も少なくありません。
実際に私も今はフリーランスのフロントエンドエンジニアとして働いていますが、最初はWeb制作会社で完全未経験のコーダーとして修行していました。
そんな未経験コーダーとして働いた場合、一体どのような業務を担当することになるのでしょうか?
そこで今回は、かつての体験をもとに未経験コーダーの具体的な業務内容、1年間でどれほどスキルアップができたのかを解説したいと思います。
完全未経験がコーダーとして採用されるまで
私がアルバイトコーダーとして初めて勤務させていただいたのは、都内にあるWeb制作会社でした。
私は完全未経験だったこともあり、各社の面接に落ちまくっていたのですが、こちらに運良く拾ってもらえました。
未経験からの採用までの活動については、別の記事でも詳しくまとめているので、興味のある方はそちらも読んでみてください。
関連記事:【体験談】コードの書けない未経験エンジニアがコーダーとして採用された話
私のコーディングスキルは本当に0だった
具体的な業務内容を説明する前に、入社前の私のスキルについても触れておます。
先ほども説明した通り、私はコードを一度もイジったことのない完全未経験者だったため、本当に0ベースからのスタートでした。
「ある程度コードの書ける業務未経験ではなく、コードの書けない完全未経験だった」
もちろん、学びながらの業務は非常に辛いことだらけでしたが、スクールに通う手間や費用を考えると、かなりお得ではありますね笑
一般的な企業はアルバイトや派遣であってもコードの書けない完全未経験を雇ってくれる会社は非常に少ないので、この時はかなり運が良かったといえるでしょう。
未経験コーダーとして勤務開始〜退職までの業務

運と流れに身を任せ、ようやく見習いコーダーとして働けることになりましたが、正直この一年間は茨の道でした笑
ちなみに、労働条件は朝9:00から18:00までのフルタイム勤務(残業アリ)で、時給1,100円でした。
正直、学ばせてもらえるだけでも助かるのに、お金ももらえる環境だったので、かなり恵まれていましたね笑
ここからは、そんな業務開始から退職までの約1年3ヶ月の間に行った業務を詳しくご紹介したいと思います。
勤務開始~2ヶ月・ひたすらコーディングの練習
そんなこんなで完全未経験のアルバイトコーダーとしての採用が決まり、いよいよ業務がスタートしました。
といってもコードを書く能力や知識もなかったので、最初は研修を兼ねたコーディング練習から始まりました。
内容としては、会社側が用意してくれたPhotoshop内のデザイン(テストサイト)をHTMLとCSSでひたすらコーディングするといったものです。
ちなみに、この時はコードを書くことはおろか、パソコンの操作すら危うい状態だったため、かなり苦労したことを覚えています。
「divタグ?なにそれ?」というレベルだった
というわけで、最初の2ヶ月ぐらいは先輩の隣でテストサイトを一日中ひたすらコーディングしていました。
もちろん進みも遅く、まだまだ業務ができるレベルには到底達していませんでした。
もともと勉強が苦手で覚えが悪い方だったため、恥ずかしながら、この時は先輩にかなり迷惑を掛けまくってました。
また、その傍らで軽い更新作業やサーバー周りの基礎知識なども伝授してもらったりもしました。
Point
- 最初の2ヶ月はコーディングの練習
- サイトの軽い更新作業をしていた
- ftpやサーバー周りの理解
- Xamppで仮想サーバーとBracketsエディターを使用
2ヶ月〜4ヶ月目・ようやくデザイン通りのコーディングが可能になる
2ヶ月目以降は作業も慣れてきたため、時間をかければ静的サイトをデザイン通りにコーディングすることが出来るようになってきました。
コードの見やすさなどは先輩方に比べたらお粗末極まりないものでしたが、HTML・CSSはある程度形にはなってきた時期でもあります。
「2ヶ月でお粗末ながら静的サイトは作れるようになった」
この頃の主な業務は、まだ更新作業やwordpressでのページ投稿、先輩の手伝いがメインで、それが終わったら再びテストサイトのコーディング練習を行っていました。
更新作業は一度覚えれば後は単純な繰り返し作業となるので、正直なところ業務にも飽きかけていました。
また、途中で全く関係のない事務作業(書類のホチキス留めなど)の雑用的な作業もやらされましたが、コーディングスキルは確実に伸びていきました。
Point
- 空き時間に勉強、コーディング練習
- 更新作業、Wordpressでのサイト更新がメイン業務
- 先輩の手伝い
- 変な事務作業が回ってくる時があった
- 単純作業が多かったため、業務に飽きる
4ヶ月目・初の大型案件を任されるが…
4ヶ月目に入ると、上層部の意向により初めて大きな案件を任されました。
その案件は制作するページは少ないものの、複雑なアニメーションやJS実装、可変にも対応したページのコーディングを行う必要があったため、初心者コーダーにとっては比較的難易度が高いものでした。
「4ヶ月目にして初めての大型案件が回ってきた」
もちろん、コーダー歴の長い先輩からは全力で止められましたが、更新作業をメインとした保守運用に飽き飽きしていた私は、「大丈夫です!」といって引き受けてしまったのです。
しかし、実際にこの案件は非常に難しく、毎日のように22〜24時まで会社に残って作業していました。
今でこそ笑い話にできますが、当時は納品へのプレッシャーから朝起きると吐きそうになるぐらい追い込まれていましたね笑
結局一人では完遂できず、納品前ギリギリになって先輩の力を借りる形となってしまった。
正直、その後の案件と比較しても一番難易度は高く、もう二度とやりたくないと今でも思っている案件でした。
Point
- 複雑な実装が必要なコーディングを任される
- リキッド仕様、jQueryにつまずく
- 連日22〜24時まで残る
- 先輩に泣きつく結果となってしまった
6ヶ月目~・LPコーディングがメインに
半年目以降はLPやキャンペーンページのコーディングをメインに行っていました。
大型案件で見事にやらかした私ですが、それを堺にコーディングスキルが右肩上がりで伸び、レスポンシブでのコーディングも問題なく行えるようになってきました。
「案件での失敗を堺にコーディングスキルが伸びた」
今思うとあの地獄の経験があったからこそ、この時期からは気持ち的にも技術的にも余裕が出てきました。
また、時にはWordpressのテーマのコーディングやPHPでの簡単な組み込み、軽いデザインの集成なども任され、コーディング以外の多方面への知識も広がっていきました。
Point
- LPやCPの作成
- WPテーマのコーディング
- PHPを使った組み込み
- 軽いデザインの修正
1年目・後輩への引継ぎが始まる
コーダーとして働き始めて1年近くが経ったころ、社内体制が大きく変わったことにより、社員の入れ替わりも激しくなっていきました。
また、以前私が担当していた案件を新しく入ってきた後輩が担当することになり、私はその引き継ぎやヘルプなどに回っていたりしました。
「一年目からは後輩への引き継ぎやヘルプにも回った」
もちろんLPやCPのコーディング、更新作業などの自身の業務も同時並行で行っていました。
また、この頃はもう先輩に頼らなくても問題なくサイトのコーディング(JS実装含む)が行えるレベルになっていました。
Point
- 社内体制に大きな変化があった。
- 後輩への引き継ぎ
- 引き続きLP、CPなどのコーディングを行う
- jQueryでのdom操作やBootstrapなども扱えるようになる
1年目〜1年3ヶ月目・空き時間にポートフォリオを作成
先程も触れたとおり、一年目以降は社内体制の変化により空き時間も多くなっていきました。
会社からは空き時間に勉強してもいいと言われていたので、私はその時間を利用してポートフォリオに乗せるサイトの制作をしていました。
詳しくは書けないのですが、社内体制の大きな変化や上がらない給料、アルバイトとしての立場などに限界を感じた私は辞める心構えをしていました。
「スキルは上がったが待遇は特に変わらなかった」
この時点で他の会社に移っても仕事していけるだけのスキルは身についていたため、フレックスタイム制などのより良い環境で仕事していきたいと思ったのです。
Point
- 社内体制の変化により、業務に空き時間ができた
- スキマ時間に転職用のポートフォリオを作成した
- 最後まで時給や待遇は変わらなかった
- フレックスタイム制など、より良い環境で働きたいと思った
1年3ヶ月目・アルバイトコーダーを退職
退職の1ヶ月ぐらい前に上司に辞める意向を伝えました。
最初は反対されましたが、他にも退職希望者が相次いでいたため、最終的に辞めさせてもらえる形となりました。
自分の行っていた業務は、他のコーダーの方が作業していくことになり、その引き続きなども行っていました。
ちなみに、次の職場は全く決まっておらず、ポートフォリオも未完成の状態でした。
完全未経験からコーダーになって上達したスキル

アルバイトの未経験コーダーとして入社してから1年3ヶ月ほどでしたが、この期間で大幅なスキルアップを行うことができました。
この会社に拾ってもらわなければ、恐らく今は別の仕事をしていたでしょうね。
具体的には下記のようなスキルが身につきました。
- HTML、CSS、jQuery
- WordPressカスタマイズ
- 軽いWPテーマの作成・組み込み知識
- javascriptでのdom操作
- BootstrapなどのCSSフレームワーク
- レスポンシブ・リキッド仕様でのコーディング
- アニメーションなどの動きのあるサイト制作
- Photoshopの使い方・応用
- 静的のコーディングは問題なし
今回は省きますが、この1年目での経験やスキルは次の会社への転職やフリーランスとして働いている今でも非常に役立っています。
最終的には辞める形となってしまいましたが、得たものも大きい1年数ヶ月となりました。
未経験からエンジニアになる為にやっておきたいこと
最近は一般的な企業からエンジニアへのジョブチェンジを行う人も増えてきました。
大体の人は未経験可の会社への転職を考えているなもしれませんが、一点だけ注意が必要です。
未経験可の求人は、「業務は未経験でもオッケー」という意味であり、あくまでもある程度のコーディングスキルが前提条件となっています。
「未経験可=基礎的なコーディングの知識とスキルは前提条件として必要」
私のようなコードに触れたことのない完全未経験を雇ってくれる企業は稀であり、新卒でもない限りは非常に厳しくなってきます。
しかし、最近はプログラミングスクールに通ってコーディング等の基礎スキルを身に着けてから転職活動をされる方もいます。
「独学が苦手な人、スキルを身に着けてから転職したい人にはプログラミングスクールがおすすめ」
自身の努力次第では30歳以上でも転職のチャンスが転がっていますので、興味のある方はぜひスクールでトライしてみてください。
未経験で入ったアルバイトコーダーを辞めた後のキャリア
ちなみにですが、アルバイトコーダーを辞めた私は、その後数ヶ月かけてポートフォリオ制作を行っていました。
また、知人からWebサイトを制作してほしいとの依頼があったため、そちらの制作も同時並行で行ってました。
その過程でWordPressのテーマの作成やPHPでの動的サイトを作れるようになり、それを持って中途採用枠での転職活動を行ったという流れですね。
「退職後はポートフォリオ制作と中途枠での転職活動をしていた」
転職にはマイナビITを利用させてもらい、大きめのIT企業でフロントエンドエンジニア(内勤)にキャリアアップしました。
この辺りの転職活動の話は、また別の機会にしたいと思います。
未経験エンジニアの転職にはエージェント利用がおすすめ
未経験に限った話ではありませんが、エンジニアへ転職活動をする場合は「転職エージェント」をご利用されることをオススメします。
今はリクルートやマイナビ、dodaなど無料で利用できる転職サービスが揃っています。
特にマイナビは未経験可の求人からベテランエンジニア向けの求人も多く紹介してくれます。
「マイナビは未経験可の求人も多く利用しやすい」
私は転職エージェントはマイナビを利用していましたが、下記のような特徴が魅力的で、無事にフロントエンドエンジニアとして転職が可能となりました。
マイナビ転職を利用するメリット
- マイナビITの特徴
- 未経験、ベテランどちらも利用可能
- 担当キャリアアドバイザーの対応が丁寧
- 一般公開されていない求人を豊富に紹介してくれる
- 企業への提出書類の添削も無料で行ってくれる
- 企業への給与交渉もしてくれる
- 企業への面接、入社まで完全無料でサポート
- etc…
上記のように、転職希望者にとってはデメリットが一つもなく、コーディング経験が浅い自分にとっても非常にありがたいサービスでした。
コーダーとしての第一歩を踏み出したい方、フロントエンドエンジニアへのキャリアアップを検討されている方は是非ともご利用してみてはいかがでしょうか!
未経験からコーダーになった体験談・まとめ
以上が完全未経験からアルバイトコーダーとして働いた1年間3ヶ月の作業内容とスキルの説明でした。
正直、この1年ちょっとで私の人生が変わったといっても過言ではありません。
もちろん、その後もいろいろと波乱万丈な案件などもありましたが、現在はそれなりに満足のいく年収と作業ができる環境となっています。
一度コーディングスキルを身に着けてしまえば、職に困ることもないので、興味のある方はぜひともトライしてみてください!